シーマンシップとは

シーマンシップ(Seamanship)、現在は次の二つの意味として使われている言葉

  1. 船乗りとしての技能
    航海をするために必要な基本的技能で、運用術・航海術といったもの。
  2. 船乗りとしての資質・心がけ・マナー
    慣海性、海上生活の順応性、心構え、精神的及び身体的の適応性などといった人格的なもの。

海の上で仕事(漁師・船員)・活動・マリンスポーツをしていない人には関係ないのでは?!
いいえ! 仕事・私生活に通ずる事が多く、海の学びから伝えられています。

では上記の2つは具体的に云うと、どの様な事なのでしょうか?またなぜ、そのような教えや心掛けが必要なのでしょう。
ではキーワード事にひも解いてゆきます。

シーマンシップの必要性

1 海上であること

  • 不確定要素が多い(状況が変化し 昼夜問わず船の運航が行われる)
  • 外的条件が厳しい(厳しい風雨、波浪、複雑な海潮流、大きな寒暖差、船体動揺)
  • 制約された環境下にある海上にでれば限られた環境(船内、乗組員、物資)のなかで耐えられる強靭な精神力、体力、チームワークが求められる。
  • 事故の危険性が高い
  • 互いに協力、支援を必要とする。

2 国際 社会性があること

  • 地域ヨットクラブの代表となりえる。(外国へ行った場合、一人一人が地域クラブの代表といった性格をもっており、その船の、そのクルーの態度、動作がふさわしいものでなければならない。)
  • 外国とのかかわりが多い。
    (広い視野を持ち、各国の習慣等にも精通してなければならない。レース・クルージングで国内外を往来する為。)
  • 港内においても初めて入港する港等で停泊・係留する際に地元住民・漁師・マリーナスタッフ等コミニュケーションが不可欠

シーマンとして要求される資質及び心がけ

1 先見性

    • 環境条件の急激な変化、突発的な事象に対し、適時適切に対応せねばならず、制限された環境下において、人、物、時間を最大限に活用することが要求される。
    • 物事の要点を把握し、起こり得る事態や状況を予測して先手を打つ能力を身につけるとともに、着眼点を誤らず正しい処置がとれるよう常に事前準備とセカンドオブションを持ていなければならない。

(気象海象及びその変化の状況を適切に把握し、航行可能であるかなどを判断しなければならない。自己の力量を超え無理な航行し、事故をおこし危険な状況に陥り、迷惑をかけることは避けなければならない

2 確実性

  • 海上作業の特徴の一つは、作業のやり直しが困難であることである。確実性の欠如は事故の要因となる。一人一人の作業が船の安全を左右する。(係留索1本を結ぶにしても、これが解けたら、係留のやり直しとなるばかりか、自船又は他船が危険な状態となる。)
  • 出港前には気象海象の状態及び変化、自船の状態などを確実に把握する必要がある。

3 迅速性

  • 時期を失すると取り返しのつかない重大事故を招く恐れがある。
  • 制約された環境で効率よく作業するには、指示・命令に即応する速やかな行動と迅速な報告が要求される。
    (刻々変化する状況に応じて臨機に適切な判断を下し、無駄のない動作で迅速に処置をとらなければならない。)

4 節度

  • 外国人と接する機会が多いので、特に各人は整った服装容儀と、節度ある交際が要求される。
  • 船の全能を発揮するために、常に船内を整理整頓しておき、限られたスペースを有効に活用する。
  • きちんとした態度動作を身に付け、礼儀正しく、かつ整った服装容儀を保つとともに、船内及び身の回りを常に整然としておかなければならない。
    (荒天の海を乗り切って入港した後、安堵感とおごりから、陸上における行動が粗暴になったり、他人に対する思いやりがなくなったりする傾向があるが、陸上においては他人を尊敬し、お世話になる港湾関係者及び港町に住む人たちに感謝の念を持って行動しなければならない。)

5 質実剛健

  • 海上では不便さに耐え、節約による物の有効な活用が要求されるとともに、厳しい内容及び外的環境の中では、それに対応する体力が要求される。
  • 協同連帯意識を向上するため、言い訳を慎み、使命達成のため責任ある態度が要求される。

6 冒険心

    • 海上においては多くの危険と出会うものであり、出港の前には綿密な計画が要求され、出港後にはその計画に従った大胆な実行が必要となる。
    • どんな事態に至っても、サバイバル精神と創意工夫をもって船と自己の安全を図らなければならない。
    • 自然を相手として人間の能力の極限状態にも耐え得る強じんな精神力と勇気が要求される。

(弱音や泣き言を吐かず、忍耐強く常に最善を尽くし、最後までやり抜く芯の強さを、身に付けなければならない。)

どうでしょうか?
皆さんの私生活やビジネスの中でも使われるキーワードが幾つかありませんでしたか。

もっと端的に表現してみました。
もしこんな事を理解して実践できる様にあなたがなれたら。またそんなリーダー・スタッフ・仲間がいたらあなたは一緒に仕事をしてみたいと思いませんか。

– 気が付いたことは直ちに実行する
– 身の周りの諸事を整理しておく
– 5分前行動の精神
– 国際性がる 社交性がある
– リーダーシップ及びリーダーへのリスペクト(クルー(スタッフ)へのリスペクト)がある
– 物事の流れを理解し未来を予測する能力がある
– 何事も真剣に取り組み 諦めない
– 協調性がある
– 時と場合によっては物事を瞬時に判断(決断)する事が出来る
– 限界に挑戦する強靭な精神力を持っている
– 人へのやさしさ(気配り) 愛情(仲間を守り励ます)がある
– 計画性がる
– 情報収集力 分析力がる
– 前向きなチャレンジ精神にあふれている
– 人の話を聞き入れ事が出来る